家と財産を守るための〜不動産の相続対策
家と財産を守るための〜不動産の相続対策
文書作成日:2020/03/20


 廃業後空室のままの修繕が必要な自社ビルを、相続財産として子供に託すのは忍びないのですが、どうしたらよいでしょうか。




 少し前に会社を廃業し、会社に賃貸していた私所有の築40年のビルが未使用となっています。賃貸を検討していますが、修繕が必要となるため迷っています。このままの状態で相続になったときに、子供たちに迷惑がかかるため何とかしたいと考えていますが、どうしたらよいでしょうか。なお、借入金はありません。




 空きビルの活用法としては、賃貸や売却などが考えられますが、将来の相続を見据えるのであれば、ご自身のみで判断するのではなく、お子様等に相談しながら検討されることをおすすめします。




1.元自社ビルを賃貸する場合
(1)借主が見つかりにくい

 自社で使用していたビルは、フロア単位での賃貸が難しく、一棟での賃貸となるケースが多いです。一棟で賃貸する場合、管理面の負担は少なくなりますが、需要が限定され、借主がなかなか見つからない恐れがあります。

 更に、オフィスは、マンション等の住居よりもエリアが限定されるため、立地によっては、フロア単位での賃貸が可能であっても借主がなかなか見つからない場合があります。

(2)修繕費用は想定賃料の1年分以上

 その一方で、事前に必要となる修繕の費用は、少なくても想定賃料の1年分以上と推定されますので、修繕実施の有無及びその実施時期については、慎重に検討する必要があります。

 しかし、検討に時間をかけ過ぎますとその間の維持管理費(固定資産税・火災保険料 等)の負担が重くのしかかってきます。

2.元自社ビルを相続した場合

 以下の前提条件で、@ビルを賃貸している場合、Aビル解体後更地のままの場合、B空きビルのままの場合、それぞれの相続税評価額を算定してみましょう。

(前提条件)
土地 路線価:200千円/u 面積:500u 借地権割合:50%
建物 固定資産税評価額 50,000千円 借家権割合:30% 賃貸割合:100%
@ビルを賃貸している場合 Aビル解体後更地のままの場合 B空きビルのままの場合
土地 200千円×500u=100,000千円
100,000千円−100,000千円×50%×30%×100%=85,000千円
200千円×500u=100,000千円 200千円×500u=100,000千円
建物 50,000千円−50,000千円×30%×100%=35,000千円 50,000千円
合計 85,000千円+35,000千円=120,000千円 100,000千円 100,000千円+50,000千円=150,000千円

 上記のとおり、相続税評価額は、最も収支が悪い(マイナス)空きビルが最も高額となります。

3.空きビル対策

 上記2.のとおり、空きビルの状態は1日も早く解消する必要があります。その対策として、以下をおすすめします。

  • @不動産仲介業者等に相談し、所有ビルの賃貸需要を把握
  • A賃貸需要が見込めない場合は、現状での売却又はビル解体後の活用・売却を検討
  • B賃貸需要が見込める場合は、期間を設けて賃貸募集を開始
    • 旺盛な需要が見込める場合は、賃貸募集前の修繕実施も検討
    • 安価な賃料での賃貸は、所有ビルの価値減少に繋がるため、適正賃料での賃貸を心掛ける
  • C期間内に借主が見つからない場合は、Aを検討

 なお、将来の相続を見据えた所有ビルの活用については、ご自身のみの判断で決定するのではなく、お子様等に相談されながら検討されることをおすすめします。


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